2013年4月29日 オピニオン » 1031号

コラム「虎視」1031号

コラム「虎視」

▼紙・板紙生産量のピークは2000年の約3,200万トン。昨年の生産量は約2,600万トンだったので、ピーク時に比べて18.4%減少したことになる。紙と板紙でみると、昨年の紙生産量はピーク時に比べて21%減、板紙生産は同15%減となっている。

▼一方、2000年の古紙消費量は1,792万トンで、昨年の古紙消費量は1,677万トン。こちらは紙・板紙生産のピーク時に比べて6.4%しか減少していない。これは各製品の古紙配合率が高まったことによる。2000年前後は各社ともDIP設備(脱墨設備)の新設ラッシュが続いた時期。それによって新聞・雑誌の洋紙への古紙配合率が一気に高まった。また時代は前後するが、オフィス用紙や牛乳パックの家庭紙への利用拡大、以前は禁忌品だった難処理古紙の利用拡大も古紙配合率の増加に繋がっている。

▼今回取材した廃石膏ボードは建築廃棄物。紙・板紙生産がシュリンクして古紙消費量が減少すると、どうしても歩留まりが悪い古紙は嫌われるが、価格の安さと一定の品種、安定した量が排出されるのは魅力。中芯などの板紙用途に限られるが、キロ3円という価格帯は海外からの引き合いが来ても不思議ではない。新たな販路が広がるか。

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