2006年2月20日 オピニオン » 677号

コラム「虎視」 677号

コラム「虎視」

▼驚異的な勢いで古紙輸入が増える中国。振り返ってみると、日本の古紙輸出が100万トン台の大台に乗せたのは01年から。この年から中国向けの輸出が本格化し、昨年はなんと輸出の84%が中国向けだった。つまり371万トンのうち306万トンが中国に振り向けられた。中国一辺倒の輸出だが、中国の輸入はどこまで拡大するのだろう。今年、2,000万トンの大台に早々と乗せるのかどうか。

▼中国傾斜は日本だけでない。今回、古紙輸出の主要11ヵ国の動向を調べてみたが、最大の輸出国である米国も半分を超えた。オーストラリアはほとんど中国。欧州に目を転じると、イギリス、スペイン、オランダ、ベルギーは軒並み中国輸出の比率が増え、半分かそれ以上。なかでもイギリスはほとんどが中国向け。中国輸出の比率が一割程度と少ないのは、ドイツとフランスだけであった。

▼日本の輸出が中国に傾斜しているのは、圧倒的な需要があるうえに輸出手取りも良いから。中国輸出が止まれば、日本の古紙はたちまち巷に溢れ、行き場を失うだろうが、中国は日本を追い越し世界第二の製紙大国。今年か来年にも日本の二倍の生産国になるばかりか、いずれ米国を追い抜くとみれば、中国依存は避けられないところか。

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