2006年2月13日 オピニオン » 676号

コラム「虎視」 676号

コラム「虎視」

▼関東地区の段ボール古紙価格の建値が動いたのは04年の年初。2年ぶりで今春、建値が動きそうで(すでに動かした大手もある)動けば二桁価格に回復する。振り返ると、段ボールの問屋店頭価格が二桁台だったのは1997年まで。以後、二桁価格はなく、実に9年ぶりの復帰になる。

▼段ボール価格は過去、鉄スクラップ価格と似た動きをしてきたが、ここ3、4年は鉄スクラップ価格がトン2万円(キロ20円)を行ったり来たりするほど上昇したのに対し段ボールの上値は重く、両品種の乖離が目立つようになっていた

▼ところで中国の昨年の古紙輸入量は1,700万トン。前年比470万トン増。このうち段ボールは半分を占め、892万トンで315万トン増。驚異的な輸入増にもかかわらず、段ボールの国際相場は比較的落ち着いている。これは日米欧の需給ギャップが拡大し、各国とも輸出余力が増大しているからであろう。

▼今年の中国の古紙輸入量が一気に2,000万トンに達するのか、それとも勢いが鈍るのかどうか。日米欧の需給ギャップの拡大だけでなく、各国とも輸出に占める中国のウェートが高いことも、価格が安定している(輸入量が多く、価格の主導権が中国側にある)要因かもしれない。

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