▼日本製紙連合会によると、昨年の紙・板紙の内需実績は0.3%減だった。その内訳をみれば、紙は2.7%減で衛生用紙を除けば全品種で前年対比マイナスだったのに対し、板紙は1.1%増で全品種でプラスだった。景気が回復する局面にあるが、紙と板紙で優勝劣敗が鮮明となっている。
▼一方、古紙の消費は板紙向けが牽引する形で、11月までの実績で0.9%増えた。輸出価格が国内価格を突き上げ、内外格差は開いている。製紙メーカーにとっては、生産が低迷する環境下で古紙が高騰する状況が続く。ただ紙の需要家である新聞、印刷、出版は経営環境が厳しいが、板紙の需要先の流通、食品、小売は比較的好調にある。
▼昨年、古紙の内外格差の是正を主導したのも板紙メーカーであるレンゴーだった。新聞と雑誌の建値上げを先導する異例の事態も生じた。他の大手メーカーは一律の建値上げより特定の問屋にプレミアム(割増し)価格を付けて、調達コストを抑えながら数量を確保する。こうした各メーカーの独自の価格政策が浸透しつつある。一部の問屋に有利な価格体系は、月間扱い量が小さくワンヤード経営の問屋には不利に働く。プレミアム価格の定着は問屋の系列化(グループ化)の動きにも拍車をかけそう
2024年10月21日
コラム「虎視」
中国の上海を拠点として企業・消費者向けにネット販売やその支援、コンサル業務を行っているセールス・インチャイナ㈱[...]
2024年10月14日
コラム「虎視」
ピューリッツァ賞作家であるハルバースタムによる「ベスト&ブライテスト」という本がある。泥沼化したベトナム戦争に[...]
2024年10月07日
コラム「虎視」
物心付いた時から毎年、年賀状を出していたが、5年前に出すのを止めた。会社関連も2年前から止めて、勝手ながら紙面[...]
2024年09月30日
コラム「虎視」
福田三商はM&Aで大きくなった古紙問屋で、元々は福田紙原料と三商紙業(福田紙原料と鈴六商店の合弁)が合併して6[...]