2014年1月27日 オピニオン » 1067号

コラム【虎視】1067号

コラム「虎視」

▼日本製紙連合会によると、昨年の紙・板紙の内需実績は0.3%減だった。その内訳をみれば、紙は2.7%減で衛生用紙を除けば全品種で前年対比マイナスだったのに対し、板紙は1.1%増で全品種でプラスだった。景気が回復する局面にあるが、紙と板紙で優勝劣敗が鮮明となっている。

▼一方、古紙の消費は板紙向けが牽引する形で、11月までの実績で0.9%増えた。輸出価格が国内価格を突き上げ、内外格差は開いている。製紙メーカーにとっては、生産が低迷する環境下で古紙が高騰する状況が続く。ただ紙の需要家である新聞、印刷、出版は経営環境が厳しいが、板紙の需要先の流通、食品、小売は比較的好調にある。

▼昨年、古紙の内外格差の是正を主導したのも板紙メーカーであるレンゴーだった。新聞と雑誌の建値上げを先導する異例の事態も生じた。他の大手メーカーは一律の建値上げより特定の問屋にプレミアム(割増し)価格を付けて、調達コストを抑えながら数量を確保する。こうした各メーカーの独自の価格政策が浸透しつつある。一部の問屋に有利な価格体系は、月間扱い量が小さくワンヤード経営の問屋には不利に働く。プレミアム価格の定着は問屋の系列化(グループ化)の動きにも拍車をかけそう

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