▼回収された古紙の17%が輸出されているが、品種別にみると雑誌の輸出比率がもっとも高く、約30%を占める。廃プラスチックも古紙と似たような輸出比率だが、樹脂別でもっとも高いのがPETボトルである。昨年の輸出量は月2万トン、年間で25万トンに達した。回収量は40万トン足らずなので、輸出比率は実に60%にも達する。
▼このため協会ルートの引取量が減ってきており、再商品化事業者に原料が回らなくなった。また昨年、落札価格がついに有償になった。容リ法によるPETの分別収集が開始されたのは平成12年度。初年度の落札単価はトン7万1,400円の逆有償だった。それが昨年度は1万7,300円の有償という、劇的な変化を遂げることになった。この劇的な変化をもたらしたのは中国への輸出拡大である。
▼変わらないというか、リサイクルの輪が回らないのが古布(古着)だ。中国が唯一輸入を禁止している再生資源でもある。日本では年間100万トンの古布が排出され、回収されている量はわずか20万トン。中国は国内のアパレル産業の育成のために古布の輸入を禁止しているが、欧米や日本では古着が輸入され、リサイクルショップもある。中国が古布の輸入を解禁する時代がやってくるのかどうか。
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