▼古紙の主要三品である段ボール、新聞、雑誌の建値修正が出揃い、三品とも問屋店頭渡しで二桁価格に回復した。関東地区を例にとると、一桁価格の期間がもっとも長かったのは雑誌で実に14年と8ヵ月。段ボールは8年4ヵ月、新聞は01年2月~02年11月までのわずか1年と9ヵ月にすぎない。もっとも新聞は98年から99年にかけても1年半ほど一桁価格に転落。この期間を合計しても3年半ほどであり、雑誌、段ボールに比べると一桁転落の期間は短い。
▼一桁価格の期間が短い品種ほど商品価値と復元力があったとの見方ができるが、それにしても実に長いトンネルだった。1990年代、国際相場(輸出相場)が乱高下しても、国内価格はピクリとも動かなかった。当時の古紙は輸出が少なく、輸入が多い、輸入の時代だったからであろう。2000年代に入り、中国市場の急成長とともに輸出が急速に増え、昨年は回収量の17%が輸出された。
▼連動とまでいかないが、輸出価格が国内価格を突き動かす時代になったわけだ。ただ皮肉なことに国内価格の値上げが出揃った時点で、輸出価格が急落してきた。このため一気に内外格差が縮まってきたわけだが、これまで経緯から縮まっても逆転することはないだろう。
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