▼少し前だが、「ゴミを知れば経済が分かる」の著者・瀬戸義章氏に話を伺った。昨年六月に東資協の総会で瀬戸氏が講演を行い、講演を聞いた回収業者さんに本を薦められ拝読した。
▼瀬戸氏は長崎大学環境科学部を卒業後、東京の物流会社ウインローダーに入社。同社は二〇〇〇年代からリユース・リサイクル分野に進出して業績を伸ばしており、氏はリユースビジネス「エコランド」のプロモーションを担当した。四年半の勤続後、東南アジアをごみと資源をテーマに歴訪(ゴミタビと呼んでいる)。その後、帰国した一週間後に東日本大震災が発生し、東北でボランティアに駆け回る日々。この本には東南アジアのゴミタビと東日本大震災後の出来事が綴られている。
▼興味深かったのはやはり東南アジアの古紙に関する記載。ベトナム北部のハノイから車で二時間ほど走ったところにあるズオンオ村。街には御殿が立ち並ぶが、どの家にも段ボールが溢れかえる。そう、ここはベトナムの古紙リサイクル村で、村の三百五十世帯のほぼ全てが古紙リサイクルに関与する。調査によるとこうしたリサイクル村がベトナム全土に九十ほどあるという。それぞれの村は、一つの素材に特化して再資源化を行っている。
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