大和板紙㈱(大阪府柏原市)は中小板紙メーカーとして、独自の原料施策で生き残ってきた。他社が使わない古紙を率先して使用することで、競争力を上げるというのがモットー。同社にはパルパーが9台あり、様々な難処理古紙を含めた古紙を使用している。
▼大和板紙の原料調達を担うのが、古紙問屋の㈱須田商店である。須田社長は「今後、古紙もの家庭紙や白板紙の原料となる古紙がなくなる」と危機感を募らせる。ペーパーレス化は今に始まったことではないが、特にコロナ禍以降は洋紙の減少が著しい。この洋紙の急減によって最も打撃を受けるのが、パルプ代替として使用してきた古紙もの家庭紙や白板紙である。
▼須田社長のシミュレーションによると、洋紙の減少がこのペースで続けば、7~9年後には洋紙の消費量が現在の半分になる。そうなると上物や模造の発生量も半分になり、年間100万トンほどの家庭紙向け古紙が足りなくなる。大和板紙としても、これまで上物古紙と模造や機密書類、そして牛乳パック・酒パックやフィルム系の難処理古紙を上手く使ってきたが、今後訪れる古紙不足を懸念している。新たな掘り起こしやまだ使っていない難処理古紙はないか、様々な策を講じているという。
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