2007年10月15日 オピニオン » 758号

コラム「虎視」 758号

コラム「虎視」

▼段ボールの輸出価格がCIFトン200ドルに乗せてきた。1995年以来の実に12年ぶりのことである。問屋手取り価格でいえば主要港に近い古紙ヤードからだとキロ20円はある。雑誌も限りなく20円に近いので、新聞を含めた主要三品の輸出手取り価格が20円になったともいえよう。

▼95年の国内相場(関東地区、当時の表示は工場着値だが問屋店頭価格に修正)は段ボール12~14円、新聞13円、雑誌6円~8円で、現在の国内建値よりも安かった。しかし高い輸出価格に反応することはなく、輸出はわずか4万トンにとどまる。①古紙は輸出よりも輸入が中心だった②為替が1ドル80円台という超円高で問屋の手取りが相殺された③輸出への関心が薄かった④海上運賃が高かったーなどによる。

▼今年の輸出は400万トンを上回ると推定され、国内回収の2割弱が輸出に回るようになった。95年当時は回収イコール国内消費だったから、この12年間に消費構造や輸出市場が大きく変わったことになる。国内消費の低迷や中国向け輸出の拡大が主要な要因だろう。ところで主要三品の国内価格(問屋店頭)が20円をいったりきたりしていたのは1985年まで。輸出価格は22年前の水準に達したことになる。

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