古紙ジャーナルセミナーでも述べたが、日本の古紙価格の決定要因は、2割にも満たない輸出価格によって大きく左右される。これは02年から本格化した古紙輸出が、国内需給を脅かす存在になったことによる。それまでは慢性的に余剰していた古紙が、輸出増で需給バランスが取れるようになった。輸出価格が下がれば、国内メーカーは実勢価格を様々な理由を付けて下げてくる。もちろん企業として採算性を上げる努力をすることに異論はない。
▼現在は輸出価格が上がり続けており、18年の古紙バブル時の水準を伺う。ちなみに18年は新聞古紙がキロ35円、段ボール古紙が31円、雑誌古紙が22円まで上昇した。これは70年代のオイルショックに次ぐ高値だった。18年の古紙輸出価格の上昇要因は、米中貿易戦争が過熱し、米国古紙に報復関税が課せられる等の影響が大きかった。
▼日本の大手製紙メーカーは、今期の決算に原燃料価格の上昇を盛り込んでいるが、古紙購入価格の平均単価を計算をすると、いずれもキロ0.2円~1.5円ほどの上昇しか見込んでいない。しかし輸出価格は今年上半期だけで3品平均でキロ7.7円上昇した。この上昇圧力はいかに大手メーカーといえどもかわすことはできない。
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