2021年6月28日 オピニオン » 1432号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 いわゆるリーマンショックは、米国の低所得者向けの住宅ローンが焦げ付き、大手投資銀行が相次いで破綻したことで、世界同時恐慌が起きた。低所得者向けの住宅ローンは、経済成長が持続+金利据え置きという前提がないと保つことができない。米国は06年まで好況が続き、住宅販売数も増える好循環が続いていた。

 ▼その住宅バブルの真っ最中に、世界経済が破綻する方に賭けた男達がいた。米国政府・投資銀行・格付機関の裏をかき、世紀の空売りと呼ばれる大博打を仕掛けた。マイケル・ルイス著の「マネーショート・世紀の空売り」は実話に基づいたドキュメンタリーで、映画化もされている。リーマンショックの原因や背景、経過がよく分かる。

 ▼今年はリーマンショックが起きた年に似ているという声もある。古紙や鉄スクラップ等の資源物全般の価格高騰、素材価格や原油価格の高騰、不動産価格の上昇、オリンピックの開催年など。古紙問屋も鉄スクラップ業者も過去の大暴落や余剰、売れない時代を幾度も経験しているので、価格が高騰していても不安に苛まれる。一方であと5年はこの高原相場が続くという声もある。世界的な古紙不足と新マシンの稼働開始状況を見ると、高原相場が続く方が可能性が高いか。

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