▼米国西海岸の古紙回収事業では一番遅れて進出したJPだが、日本企業では唯一生き残ったばかりか、3社3プラント(ヤード)体制で拡張を目指す。米国の古紙プラントでは事務所にドアプライス(仕入れ価格)を掲示しており、1週間ぐらいごとに価格が変動する。日本にない習慣なので、初めて米国に出かけた時は興味を引かれた。オープンな市場とは逆に、事務所の出入りは鍵がかけられ厳重そのもの。さらに窓にはすべて鉄格子がはまっていた。
▼直近に米国へ出かけたのは09年春。丸紅のPPF社を訪問し、前年秋にリーマンショックの影響で大暴落した古紙市況や回収状況などについて訊ねる。直接現地の話が聞きたかったためだ。西海岸のドルベースの輸出価格は現在、リーマンショック前に戻り、すっかり立ち直った。それでも丸紅が撤退したのは、単独のヤードでは更なる成長戦略が描きにくいなどの理由による。
▼1990年代、日本の商社が相次いで米国での古紙回収事業に進出したのは、日本へ古紙を輸出するのが狙いだった。しかし時代は変わり、日本そのものが古紙輸出国になり、輸入は激減した。こうした状況の変化で、進出していた日本の4商社のうち3社が撤退することになった。
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