2011年1月31日 オピニオン » 920号

コラム「虎視」 920号

コラム「虎視」

▼中国の造紙協会によると、2010年の紙・板紙生産量の予測は約9,200万トンで、前年より560万トン増(6.5%増)となる見込みだという。そして2011年の増加率は前年並の6.5%前後の予測なので、今年の中国の紙・板紙生産量は約9,800万トンになる。1億トンに届くのは来年に持ち越しか。

▼断トツの世界一の紙・板紙生産国となった中国だが、1人当りの紙・板紙消費量はまだ64.4キロと少ない。ちなみに日本が60キロ台だったのは1960年代前半で、高度成長時代の真っ只中。1955年からの神武景気、60年からの岩戸景気、64年の東京オリンピック、67年のいざなぎ景気と好景気が続き、経済成長を加速させた背景がある。そして1970年には紙・板紙生産量で米国に次ぐ世界第2位となった。

▼この後30年間、日本は世界第2位の紙・板紙生産国の座を維持していたが、2001年に中国に抜かれて世界第3位になった。しかし30年もの間、紙・板紙生産量が右肩上がりだったのは事実。単純比較はできないがこれを中国に当てはめると、中国は1995年くらいから製紙産業が本格的に発展したので、30年間とすると2025年までは生産量が伸び続けることになる。

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