2020年11月30日 オピニオン » 1404号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 最近発売のPETボトルのコカコーラはラベルを剥がせばリボンの形になる仕掛け。クリスマスの演出と分別リサイクルを兼ね一石二鳥である。サンタの赤い衣装と白い髭のイメージが定着したのも同社の巧みな宣伝から。もともと司祭が発祥なので緑色の服など様々だった。このように大手飲料メーカーの影響力は絶大で、PETのリサイクルでも存在感を高めつつある。

 ▼PETボトルリサイクル推進協議会のデータによると、PETのリサイクル率は2019年に85.8%を達成。再資源化量は国内で32万7000トン、海外で18万2000トンだった。中でもボトルtоボトルのリサイクルが7万4000トンに上り年々増加中。今後もヴェオリア、アルバ、協栄、豊通・ウツミ等で計20万トン強の設備の増強予定がある。多くが飲料メーカーと組んだBtоBの手法だ。

 ▼とはいえ、原料となる廃PETボトル市場は約60万トン。再生設備ばかり増えても発生物である廃PETボトルは大きく増えない。来年のバーゼル法改正で、海外輸出されていた10万トンほどが国内還流する。それでも原料不足は必至だ。既存の中小事業者による国内リサイクルと共存できるのかなど、環境配慮を掲げた大手のリサイクル手法の持続可能性が試される。

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