2018年の古紙の国際市況は、中国という古紙消費大国が出現して以来、最高値を更新した。段ボール古紙と新聞古紙は、未曾有のキロ30円を超えた。ちなみに輸出価格とはいえ、キロ30円を超える古紙価格の出現は、日本ではオイルショック以来のことだった。
▼この2018年の古紙国際市況の高騰で最も恩恵を受けたのが日本だった。この年は米国のトランプ大統領が急遽、中国の数1000品目に対して関税を課し、中国も報復関税で対抗。米中貿易戦争が勃発した年である。中国は一歩も引かず、5月からは米国古紙の輸入禁止を開始。これは1ヵ月以内に解除されたが、8月からは米国古紙に25%の関税を課した。しかしこれらの施策によって中国製紙メーカーは極度の原料不足に陥り、古紙輸入ライセンスを追加発行したことで、日本古紙のオーダーが急増した。
▼当時、日本の製紙メーカーも古紙不足に陥っていた。新聞古紙の在庫量は過去20年間で最少。段ボールと雑誌の在庫率も低調で、原料が足りずにマシンを止める製紙メーカーもあった。日中製紙メーカーによる日本古紙の取り合いが過熱し、輸出価格が史上最高レベルに高騰したという訳だ。しかしいよいよ中国の古紙輸入は止まり、来年から世界的な余剰時代を迎える。
2025年04月14日
コラム「虎視」
17年に発刊された「アマゾンが描く2022年の世界、田中道昭著」という本に出てくる近未来像がある。無人コンビニ[...]
2025年04月07日
コラム「虎視」
概ね売上10億円以上の古紙問屋を対象に業況調査アンケートを実施したが、回答率は3割強にとどまった。経営状況の公[...]
2025年03月31日
コラム「虎視」
2018年から開始した中国のナショナルソードにより、鉄スクラップも輸入禁止となった。しかしその前から中国は世界[...]
2025年03月31日
ちょっとブレイク
読者から「サッカーのコラムを毎週書いて欲しい」という声を頂いた。さすがに毎週は無理だが、改めてサッカーファンが[...]