2011年11月14日 オピニオン » 959号

コラム「虎視」 959号

コラム「虎視」

▼2010年のアジアにおける国別の紙・板紙生産順位は3面に掲載したように①中国②日本③韓国④インドネシア⑤インド⑥タイ⑦台湾と続く。中国5%、日本5%、韓国25%、インドネシア43%、インド4%、タイ23%、台湾30%。中国、日本、インドが一桁比率で、韓国、インドネシア、タイ、台湾は30%前後。これは何の比率かというと、生産量に占める紙・板紙輸出量の割合である。ちなみに米国は15%。

▼韓国などの輸出比率が高いというのは、生産量が消費量を大きく上回り、輸出余力があることを意味する。一方、中国、日本、インドは生産と消費が拮抗し、輸出余力に乏しい。インドは消費の2割近くを輸入に依存し、中国も現在のような世界一の生産大国になるまでは輸入国に甘んじていた。その中国は1億トンの生産を前に足踏みしているものの、来年は達成するだろう。

▼日本とインドを除くアジアの生産国がすでに輸出国となっているということは中国が本格的な輸出国に転じたら、韓国などと競争せざるをえない。中国にとってはそれよりも輸出国でない日本とインドが将来、有望な輸出市場と映っているかもしれない。円高の進行で中国からの輸入紙が日本市場に溢れる、そんな時代がやってくるのかどうか。

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