▼オーストラリアの古紙回収率は81%で、韓国・香港・ノルウェー・シンガポール・スイスに次ぐ世界第6位。しかしこの回収率が高いからといって、国民の環境意識が高いとは限らない。確かにオーストラリアの街にはごみが全くなく、治安も良くて整然としているのが印象的だった。ただ、家庭系の古紙は資源物全般用の容器に入れられ、選別施設で段ボールとミックスに大まかに分けられ、そのほとんどが輸出されているのが実情である。
▼日本の古紙回収は集団回収と分別収集が二本柱で、どちらも品種ごとに分別して出すことを前提としている。昔、ある中国人から聞かれたのは、「何故多くの日本人は手間をかけて分別するの?」ということだった。彼からすると、メリットがなく儲からないことに時間と手間をかけることが、全く理解できないようだった。
▼今回、オーストラリアの古紙業者に「日本における古紙の回収風景」の写真を見せると驚いていた。品質の良さ、綺麗に分別して紐がかけられていることはもちろんだが、最も驚いていたのは無償で古紙を運んだり積み込みの手伝いをしていることだった。この多くの人のボランティア精神こそが、日本の古紙回収を支えていると言っても過言ではない。
2025年07月14日
コラム「虎視」
今号で紹介した熊谷紙業は、90年代から古紙パルプ生産を試行錯誤してきた。本紙268号(97年10月)を改めて読[...]
2025年07月07日
コラム「虎視」
段ボール古紙の調達価格が、段原紙の市況上昇のなか、据え置かれている。段原紙は2017年以降、5回目となる値上げ[...]
2025年06月30日
コラム「虎視」
2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
▼その時に家庭紙メ[...]
2025年06月23日
コラム「虎視」
韓国には業界紙というものが存在しないという。その理由は主に3つある。
▼①そもそも各業界[...]