出版業界の最盛期だった1995年の雑誌・書籍の推定販売部数は、約48億冊だった。雑誌が約39億冊、書籍が約9億冊である。平成というくくりで見ると、昨年までの30年間で、最初の7年間は雑誌・書籍の販売が伸びていたが、その後の23年間は減少が続いた時代だった。
▼昨年の雑誌・書籍の推定販売部数は約16億3,000万冊。雑誌が約10億6,000万冊、書籍が約5億7,000万冊である。合計の販売部数はピーク時の3分の1まで減少した。中でも雑誌の落ち込みが激しく、ピーク時から73%減。書籍は同37%減に留まっている。既に販売金額では、2016年に書籍が雑誌を抜いている。
▼日本では1976年から雑誌の販売額が書籍の販売額を抜き、世界的に類を見ない「雑誌大国」を築いてきた。日本が雑誌大国となった主な理由は、①再販制度が確立、②取次の影響力が大きい、③文化的な背景ー等が挙げられる。①再販制度(定価販売)を無期限に設定している国は、世界でもかなり少ない。②取次大手2社(日販とトーハン)が8割以上のシェアを持つ。当然、流通網や販売網を確立しており、日本では雑誌を売りやすい土壌がある。③文化的背景とは、週刊誌やマンガ雑誌の地位が確立していることである。
2025年06月30日
コラム「虎視」
2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
▼その時に家庭紙メ[...]
2025年06月23日
コラム「虎視」
韓国には業界紙というものが存在しないという。その理由は主に3つある。
▼①そもそも各業界[...]
2025年06月16日
コラム「虎視」
日本には売上高1兆円超の上場企業が177社ある。その顔ぶれの変化は産業構造の移り変わりを映す。近年ではキーエン[...]
2025年06月09日
コラム「虎視」
各国の新聞用紙生産量は、ピーク比で米国は95%減、中国85%減、韓国77%減、日本は60%減。世界中どこを見渡[...]