2018年1月22日 オピニオン » 1263号

コラム【虎視】1263号

コラム「虎視」

▼古紙輸出価格の動向は混沌としている。特に今年から中国が輸入を禁止したMIX古紙は、今後も弱含みが続くとみられる。これは世界的な傾向であると言えるだろう。MIX古紙の世界の輸出入量は約1,800万トン。輸入ではそのうち中国が570万トンで32%を占めている。欧州各国の域内輸出入分である約550万トンを差し引くと、さらに割合は跳ね上がり、46%となる。

▼年間360万トンのMIX古紙を輸出している米国では、各ヤードに溢れている模様。また米国国内のMIX古紙価格は、一部ではゴミ化するほどの価格帯に突入している。現在の米国の国内MIX古紙価格は28~44ドル、輸出向けで48~66ドル。問屋店頭価格ではキロ3円~5円である。中国の環境規制によって、世界全体の古紙リサイクルが暗礁に乗り上げるかもしれない。

▼2016年の中国のMIX古紙輸入量は570万トンで、輸入額は8億7千万ドル(約966億円)。1トン当りの平均価格は153ドルで、日本の問屋店頭換算ではキロ14.8円ほどになる。この1千億円市場のMIX古紙はどこに向かうのか。インドは316万トンのMIX古紙を輸入しているが、次の市場になり得るのか。

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