
▼欧州の取材時、対応した製紙メーカーの担当者が強い関心を示したのが、本紙のプライス・インデックス。つまり四面に載せている古紙市況欄だ。次に会う別の担当者に「日本の価格指標を作っている人」と紹介される始末だった。相場を形成する市況欄がいかに重要か、また業界紙の生命線はこの価格指標に尽きるのでは、と感じる出来事だった。
▼本紙の創刊当時、この市況欄はなかった。数年後から不定期に掲載していたが、自治体から古紙売却時の指標にしたいとの問合せもあって、毎週掲載になった。国際市況は、製紙関連の情報プロバイダーであるRISIが牛耳っている。ただ、米国発の古紙市況はOBM(オフィシャル・ボード・マーケット)誌の影響力が絶大で、二〇一二年にRISI傘下になったものの、市況欄だけは独自の毎月発表の形を残している。
▼日本ではここ数年、取引慣行の特殊性が強まり、表向きの市況変動は有名無実化しつつある。国内価格は、プレミアム(上乗せ)価格が定着し、潜った実勢価格と建値は乖離。また輸出価格のドル価は為替の変動が取引価格を左右するため、円価で示さないと価格の推移を見失う。混迷の中、変化の徴候を掴み、市況の実態を的確に伝える役割がますます重要になっている。
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