23年末の日本の新聞発行部数は2859万部となり、全盛期だった97年時の5376万部から47%減少した。世界的な潮流でみると、日本では全国紙が多いことや、新聞販売店による宅配制度が整備されていることもあり、他国と比べると減少は緩やかだった。しかし近年はコロナ禍やDX化によって減少が加速している。
▼これまでは読売・朝日・毎日の主要3大紙に、日経と産経を加えた5紙を全国紙と称してきた。しかし全国紙の都道府県別普及率を見ると、全国紙という呼称が適切かどうか分からない。その最たるのが沖縄県で、県内の全国紙普及率はわずか0.8%である。沖縄ほどではないが、鹿児島と高知は共に4.3%、石川も5.5%と低い。
▼今回、毎日新聞は全国紙という枠組みから外れる。同紙は24年9月末をもって、富山県内の新聞配送を休止することを発表した。都道府県単位の同紙の配送休止は初めて。発行部数の減少、輸送コスト削減が主な理由としている。関係者によると、富山県の毎日新聞の発行部数は1000部ほどしかなかったという。富山では北日本新聞がトップシェアで、読売が続く。地方では夕刊を廃止する新聞が増えているが、不採算が続く地方都市では、配送休止が今後増えていくだろう。
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