▼1970年代から80年代の前半にかけて、日本の古紙市況には大きな山が4つもあった。そのうち2つの山では主要三品(新聞、段ボール、雑誌)がキロ50円を超える高値(問屋の売価)が出現した。当時、家庭古紙を回収する主役はちり紙交換業者で日本列島をちり紙交換車が走り回っていた。ところが80年代後半に入ると山らしい山がなくなり、2000年初めまで右肩下がりの市況が続く。火山に例えれば休火山になったようなものだろう。
▼この古紙市況に転機が訪れつつある。きっかけは中国製紙産業の驚異的な設備増強である。20年周期で古紙市況が新たな局面に入ったとみると、2000年代後半から2010年代前半にかけて、大きな山がいくつか出現するかもしれない。当然、市況の牽引役は輸出価格となろう。
▼と同時に集めたものが売れる時代になると、いかに集めるか、いかにごみを減らし分別するかに各社が創意工夫し、知恵を絞るようになるだろう。家庭古紙の回収も、主役がちり紙交換から集団回収や行政回収に移り、新聞販売店回収も首都圏だけでなく全国的に拡がってきた。つまり価格が回復してくると、いろんな回収方式が可能になり、相乗効果で全体の回収率が一段と高まるとみたい。
2024年04月22日
コラム「虎視」
財務省の貿易通関統計によると、日本から古紙パルプの輸出量が急増している。昨年半ばごろから増え始め、直近の24年[...]
2024年04月15日
コラム「虎視」
日本容器包装リサイクル協会の発表によると、今年度の市町村からの紙製容器包装の引き渡し予定量は1万4千トン。ピー[...]
2024年04月08日
コラム「虎視」
受験シーズンが終わって新学期が始まる。受験前は、縁起が悪い言葉を避ける必要がある。このタブーの言葉のことを忌み[...]
2024年04月01日
コラム「虎視」
ドジャース・大谷選手の通訳の水原氏が違法なスポーツ賭博を行い、大谷選手の資金を流用したとして刑事告訴された。こ[...]