2022年6月6日 オピニオン » 1478号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 新聞古紙の輸出価格が高騰している。18年10~11月は、米中貿易摩擦や世界的に古紙の需給バランスが崩れたことで、中国への新聞古紙の輸出価格の最高値はキロ35.3円に達した。

▼ちょうど同時期、熊本の石坂グループが主催する九州環境フォーラムに講師として招かれた。九州の自治体関係者と古紙関連業者180名の前で、「現在の古紙輸出価格はオイルショック以来の高値。新聞と段ボールはキロ30円間近です」と話すと、大きな反応があったことを覚えている。しかし年末には急落し、19年~20年は、各地で回収危機に陥るほど価格は暴落。輸出価格は一桁、国内向けも逆プレミアム価格が1~7円(段ボール古紙の国内売値は11~17円)、輸出原紙価格(同6~11円)が出回り、古紙問屋や回収業者は回収コストを賄えず、小口回収は逆有償や引き取り拒否、集団回収の業者補助金が全国的に復活するなどの対応が行われた。

▼中国の古紙輸入禁止により、「二度と高値は出ない。30円はもちろん、20円台も厳しいのではないか」という声も多かったが、現在の新聞古紙の輸出価格は30円を超えている。段ボールは25~27円、雑誌は23~25円(いずれも問屋店頭)。今後も高止まりが予想され、内外格差は開くばかりだ。

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