中国の製紙業界といえば、玖龍紙業(ナインドラゴン)と理文造紙(リー&マン)の二強が長らく君臨してきた。そこに風穴を開けたのが太陽紙業(サンペーパー)だ。2021年の生産量は712万トンと前年比3割増で2位に浮上。江西チワン族自治区で生産能力350万トンものプロジェクトが進行中。順次稼働を開始しており、さらなる拡張計画もあるようだ。
▼サンペーパーは2010年まで洋紙と白板紙のメーカーだった。そこから食品容器や液体容器に使われるアイボリーボードの生産に乗り出し、15年からはティッシュの生産にも着手。またLBKP(広葉樹晒パルプ)の内製化を図り、年産35万トンの溶解パルプの設備を設けた。20年からは山東省で年産20万トンのUKP設備も稼働している。
▼同社躍進の秘訣は高付加価値品や成長分野に経営資源を投入したことにある。古紙よりもパルプ原料を多用し、政府の古紙輸入規制も追い風になった。バージン品の段原紙では235万トンの生産能力がある。一方、ラオスの工場では安い米国古紙を使ってコストを抑え、中国に段原輸入するなど巧みな戦略も合わせ持つ。今後、中国では古紙の国内循環が進み、繊維分を補強するためにも同社のパルプ品が重宝されるはずだ。
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