▼昨年来、古紙を利用する製紙工場や古紙のヤード数を調査した。ヤードとは大型プレス機などが設置された回収基地のこと。製紙工場は178ヵ所、ヤード数は1,873ヵ所。製紙工場はヤード数のちょうど10分の1であった。また1ヤード当たりの古紙回収量はおよそ1万2,000トン、月1,000トン。1ヤード当たりの人口はおよそ7万1,000人。つまり7万1,000人に1ヵ所の古紙ヤードがあった。
▼01年から09年まで古紙ヤードの開設ラッシュ(毎年、全国で20ヵ所以上)が続き、今年も20ヵ所以上増えれば10年連続となる。09年は08年秋の輸出価格の大暴落を受けて古紙ヤードの開設ラッシュが途切れるかと思われたが、杞憂に終わった。ヤード用の敷地である地価が下がり、中国市場の巨大化にともない輸出が増えたことで、集めれば売れる時代を迎えた。このため、新規にヤードを開設する業者が後を絶たなかったことになる。
▼ところで今回、古紙相場に根強く残る国内建値の地域間格差について考えてみた。鉄スクラップのように地域の需給を反映した格差ではなく、長く続いた買い手市場の名残と本紙は考えたが、製紙側には異論もあるかと思われる。異論があればご指摘ください。お待ちします。
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