2019年11月18日 オピニオン » 1353号

コラム「虎視」

コラム「虎視」

 韓国の製紙・古紙業界では、常に外敵と向き合わなければならない。そもそも製紙・古紙業界に限ったことではなく、経済的にも軍事的にも全ての面で外敵と向き合わなければならない。そういう競争にさらされながら、発展してきた国が韓国だと言えるだろう。

 ▼韓国の製紙メーカーは、少しでも安い原料を使用して生産し、少しでも安い製品を供給してグローバルな競争に挑む。韓国の古紙問屋も古紙を輸入して選別し、国内品と混ぜて製紙メーカーに供給する。製紙・古紙両業界が輸入古紙を使用することで、①足りない量を補う、②繊維強度を補う、そして現在は、③価格的にメリットがある。しかし輸入古紙に依存することは諸刃の剣でもある。韓国メーカーが輸入古紙の使用比率を高めたことで、古紙問屋は納入量を制限され、現在はメーカーから韓国品はいらないと言われる始末だ。

 ▼日本でもメーカーと問屋で信頼関係が揺らぐ局面はこれまでいくつもあった。昨年もそうだ。過去最高の輸出価格によって問屋の輸出意欲が増し、国内紙メーカーの原料が枯渇し、急遽古紙を輸入した。輸出価格の高騰期間が長期間に渡り、輸入古紙の使用が常態化していれば、古紙の余剰問題が更に深刻になっていた可能性もあるだろう。

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