世界的に古紙市況が暴落する中、アジアでは連動して段原紙市況も軟化している。だが、日本の市況はいわば独自体系。段ボール古紙はキロ18円、製品は中芯で60~62円、ライナーで70円前後を維持している。海外相場より10円以上も高い古紙を買い支えるのは、①日本のリサイクルシステムの維持、②製品価格への影響が念頭にあるからだ。
▼特に古紙と段原紙の連動性は、どちらかが崩れると共倒れになる構図。段原紙の代理店(流通サイド)に聞くと「製品価格が崩れることはない」と強気。製紙メーカーも「古紙価格を基準価格より安く買わない」と明言している。今のところ、どちらかが市況の足並みを乱す気配は乏しい。他方、韓国や台湾からの輸入紙も微々たる量で、圧倒的に安いわけでもなく、驚異にはなっていない。
▼そこへ2社2台の転抄マシンの計画が発表されたので、製品需給が急速に緩む感覚に陥ったが、稼働開始はまだ先の話だ。目下、急激にダブついた段ボール古紙をどうさばくかが喫緊の課題である。製品や古紙として出血輸出、緊急備蓄、荷止めや受入れ制限、果ては逆有償と選択肢は限られている。業界は1997年の余剰期、2008年の大暴落を乗り越えてきたが、再び試練に直面している。
2025年06月30日
コラム「虎視」
2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
▼その時に家庭紙メ[...]
2025年06月23日
コラム「虎視」
韓国には業界紙というものが存在しないという。その理由は主に3つある。
▼①そもそも各業界[...]
2025年06月16日
コラム「虎視」
日本には売上高1兆円超の上場企業が177社ある。その顔ぶれの変化は産業構造の移り変わりを映す。近年ではキーエン[...]
2025年06月09日
コラム「虎視」
各国の新聞用紙生産量は、ピーク比で米国は95%減、中国85%減、韓国77%減、日本は60%減。世界中どこを見渡[...]