▼今年は中国政府が通関検査を強化するグリーンフェンスを実施したことで古紙の品質問題が焦点となった。幸い日本品の高さから、数件のクレームはあったが、シップバックの影響はなかった。逆に欧米から見れば、なぜ日本品はそこまで品質が保たれているのか、疑問に感じたようだ。
▼品質差を考えると、日本は排出時のきめ細かい分別が決定的な差となっている。自治体の廃棄物行政の取り組みと市民の分別努力の賜物でもあろう。日本の場合、品質を維持しながら回収量を伸ばすことが比例関係にあった。これが米国ではシングルストリームのように分別を簡素化するほど、回収率が伸びる。そのため米国も80年代までは分別回収が主流だったが、シングルストリームに順次切り替えた。品質を犠牲にしてでも、埋立て量の削減を進めたわけだ。今では2~3%の自治体でしか分別回収が行われていない。
▼こうした文化の違いから、古紙品質の善し悪しを、日本人の清潔好きやボランティア精神による分別などと結論付けるのは容易い。だが、新興国ではごみ問題から古紙の回収システムがいずれ必要となる。日本式リサイクルの仕組みや習慣を他国でも参考にできるハウツー化も今後の課題ではないか。
2025年04月14日
コラム「虎視」
17年に発刊された「アマゾンが描く2022年の世界、田中道昭著」という本に出てくる近未来像がある。無人コンビニ[...]
2025年04月07日
コラム「虎視」
概ね売上10億円以上の古紙問屋を対象に業況調査アンケートを実施したが、回答率は3割強にとどまった。経営状況の公[...]
2025年03月31日
コラム「虎視」
2018年から開始した中国のナショナルソードにより、鉄スクラップも輸入禁止となった。しかしその前から中国は世界[...]
2025年03月31日
ちょっとブレイク
読者から「サッカーのコラムを毎週書いて欲しい」という声を頂いた。さすがに毎週は無理だが、改めてサッカーファンが[...]