近江商人の有名な「三方よし」という教えがある。「売り手よし・買い手よし・世間よし」の三者が満足できることが良い商売の基本であるという考え方だ。取引先と共存共栄で、さらに世の中が良くなっていれば、リピーターや新規顧客も増えて商売は繁昌する。現代のビジネスにも通じ、指針とする経営者も多い。
ところで、古紙の集団回収の地域団体への助成額はこのところ減っているのではないかとみる。2012年の本紙調査では推定で総額約110億円が自治体から民間団体に拠出された。最近の落ち込みの理由は、古紙の発生減だけではない。無人回収やポイント回収などの回収ルートが多様化してきたからだ。ポイントで個人には還元されても、地域コミュニティの貴重な財源が減っているとすれば看過できない事実だろう。
群馬・前橋にある産廃業者のナカダイを訪問し、目から鱗が落ちた。前橋工場沿いの道路は、地域住民の通勤道となっている。この工場の前に置かれた資源物の持ち込みBOXが、自治会ごとに用意されているのだ。朝夕に住民が資源物を持ち込み、所属の自治会のBOXへ投入。手間賃を引いた売却益が各自治会に還元されている。多いところでは年間30万円に上るそうだ。利便性を提供しつつ、地域にも貢献する。永続する商売の真髄ではないか。
2021年01月25日 コラム「虎視」 かつて静岡県袋井市にあった鉄スクラップと古紙を扱う問屋が面白い取組みをしていた。約230トンのCO2排出権を購[...]
2021年01月04日 ちょっとブレイク 昨年はコロナ禍の影響により、3月からほぼ世界中のサッカーリーグが中断となった。欧州の5大リーグでも同様の措置が[...]
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