▼古紙業界は最大手の問屋でさえ、シェアが一割に満たず、再編の余地があるように思われる。M&Aがそれほど進展しなかったのは、比較的、後継者に恵まれたからだろう。経営者=大株主であることも、企業の売却を嫌う一要因であった。ただ古紙の発生が先細る中で、これまでの延長線上ではジリ貧に陥る。企業として維持発展できるか、後継者の手腕が問われる時代に入ったというわけだ。
▼利益相反が起こりやすい業務提携に対し、M&Aという資本の裏付けがあってこそ、本当のシナジーが生まれる。地場産業である古紙事業は、既存地域での回収の頭打ちが成長のボトルネックだった。他地域へ進出して規模のメリットを追求するにも、多品目の取り扱いで突破口を求めるにも、M&Aが有効な手立てとなっている。一度でも買収を経験した企業は繰り返すといわれる所以だ。
▼これからは M&Aの相手も日本企業だけではないだろう。インバウンド需要という観点は、企業買収にもあてはまる。遊休資産の未活用、専門性の高いスタッフなどが魅力で、対日投資熱も高まっている。特に日本の製紙・古紙業界はほぼ外資が入らない「純ジャパニーズ」。縮小均衡の市場で、海外資本を受け入れるところが出てくるか?!
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