
▼従来、古紙の回収ルートといえば、行政回収や集団回収が主流だったが、ここ数年間は発生減を補うため、ポイント回収や無人回収など回収ルートの多様化が広がった。この結果、各地で持ち込み型の回収拠点が急増し、一巡した感もある。今後は古紙事業そのものを補う多角化の動きも活発化しそうだ。
▼興味深いのは、㈱國光(東京)や㈱田丸(山梨)にみられるような農業分野への参入だ。前者はパルプ工場の跡地に、LED照明を全面採用した完全閉鎖型のレタス生産工場を二〇一五年に竣工した。また後者はカゴメの技術指導のもと、二〇一四年より高付加価値トマトの栽培に着手している。ともに本格的な設備で生産規模も大きく、数億円を投じた新規事業である。
▼農業と古紙リサイクル事業の共通点も見出だせる。一つは労働集約型産業であり、収穫時には多くの人手を要する。二つ目には、地域性を色濃く反映することで、先駆の二社も日照時間の長さや湧水の潤沢さを活かした。三つ目には、安定した品質が求められることで、基準に満たない品の扱いも得意とするところではないか。天候不順も相次ぎ、こうした高度な環境制御型農業への注目度は高い。農業参入に続く古紙問屋が各地で増えても面白い。
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