▼最近はコンサルタントのような相談を受けることが多い。少し前だが、鉄道の使用済み乗車券を製紙原料に使えないかと、産廃業者経由で相談された。最近はICカードの利用が増えたとはいえ、まだ乗車券にも一定の需要がある。乗車券の裏面には磁気が塗付されており、その磁気情報を自動改札機が読み込む。この磁気面を取り除かなければリサイクルができないが、これが厄介ものなのである。また歩留まりが良くないこともあり、使用済み乗車券のマテリアルリサイクルはごく一部で行われているだけであった。
▼家庭紙メーカーや大手の段原紙メーカーに相談したが、使用できないとの返事。家庭紙は体に触れるもので衛生上の問題が大きく、段ボール原紙は様々な問題が絡む。食品衛生法の問題や、金属探知機に引っかかるかもしれないという懸念もあるとのことだった。
▼このように難処理古紙の中でもかなり難易度が高い磁気乗車券のリサイクルだが、大和板紙と須田商店からチャレンジしてみると言ってもらった。以前、鉄道会社から同様の話を貰って実験を重ね、成功しそうなところまで近づいていたが、結局鉄道会社の方が諦めたという経緯があったという。飽くなきチャレンジ精神に敬意を送りたい。
2024年09月30日
コラム「虎視」
福田三商はM&Aで大きくなった古紙問屋で、元々は福田紙原料と三商紙業(福田紙原料と鈴六商店の合弁)が合併して6[...]
2024年09月23日
コラム「虎視」
最近の若者の間で「オタク」は憧れの対象なのだという。『映画を早送りで観る人たち』(稲田豊史著)によると、彼らは[...]
2024年09月16日
コラム「虎視」
23年末の日本の新聞発行部数は2859万部となり、全盛期だった97年時の5376万部から47%減少した。世界的[...]
2024年09月09日
コラム「虎視」
脱炭素の対応は競争力には繋がるものの、投資に対する費用対効果がみえにくい。というより、成果を実感することが難し[...]