2016年6月27日 オピニオン » 1186号

コラム【虎視】1186号

コラム「虎視」

▼日本の一般廃棄物のうち、家庭系では二五%前後、事業系では一〇%前後を占めるのが厨芥類、いわゆる生ごみ。ごみの減量化や資源の再利用が進められてきたが、生ごみのリサイクルはあまり進んでいない。

▼韓国では二〇〇五年に生ごみ直接埋立禁止法が制定された。この法律の制定に合わせて、全国二百五十カ所以上で、自治体による生ごみ処理施設が開設した。これによって以前は五〇%にも満たなかった生ごみのリサイクル率は、〇八年には九〇%を超えた。しかし堆肥・飼料の供給過剰に陥り、全く売れずに結局捨てられているケースも多いという。

▼スウェーデンでは、化石燃料の削減とごみの有効利用の観点から、生ごみのバイオガス化が進められている。訪問したセブショーの家庭ごみ選別施設で分けられた生ごみは、車で二時間ほどのバイオガス化施設に運ばれてガス化。熱利用や車両燃料等に使われている。

▼日本でもバイオガス化施設の開設が増えてきた。㈱マテック(北海道帯広市)は来年、バイオガス化施設を開設する。これまで日本でバイオガス化施設が増えなかった理由は、許認可の問題や、事業系ごみ処理料金の安さ、原料の安定供給の困難等。これらが改善すれば更に増えていくか。

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