▼以前このコラムで書いたが、中国山東省に龍福社という廃ペットボトル再生工場がある。十二月中旬にその龍福社を訪問してきた。
▼立地的にはかなり不便な場所にある。昼に北京空港に降りてから、電車と新幹線を乗り継ぎ、徳州市駅に降り立った時には既に夕方だった。徳州市駅のホームを降りて外に出ると、そこには見渡す限りの霧。しかしこれは霧ではない。PM2・5が、数メートル先も見えないほどに広がっていた。そこからさらに車で二時間ほど走った場所に、龍福社の工場があった。
▼今年の初め、中国で二〇一四年の創造企業の表彰が行われた。わずか十名の受賞者の中に、龍福社の創業者である段社長の姿があった。この創造企業の表彰は、中国全土で画期的な発明、画期的な取り組みを行った企業を表彰する制度で、ごく限られた者しか受けることができない。
▼龍福社は、これまでの廃プラ再生工場=低品質・低価格の人海戦術による工場という概念を破り、高品質であり高付加価値の製品を作る技術を開発した。廃ペットボトルから長繊維を生産することは困難だが、同社では長繊維を生産して絨毯や毛布を作っている。実際に選別工程や生産過程を見学したが、世界に誇れる技術だと感心した。
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