2004年2月2日 オピニオン » 576号

コラム「虎視」 576号

コラム「虎視」

▼95年夏、インドネシアや台湾の板紙メーカーを訪問したが、輸入古紙が急騰後、急落している最中だった。春にはCIFトン350ドル前後していたOCC(回収段ボール)の輸入価格が、本紙が訪問した時は100ドルくらい値下がりして、250ドル前後だった。それでも現状の価格水準からみると、100ドル以上は高い相場である。94年から95年の高原相場は、今から振り返っても大変高い山だったことがわかる。

▼95年当時の日本の古紙輸出量を調べてみるとわずか4万トン。輸出価格の高騰にもかかわらず、日本の古紙は輸出にピクリとも反応しなかった。当時の日本の段ボール価格を振り返ると、関東地区の工場着値で春先は13円、4月から2円値上がりして15円になっている。運賃を1円とみると問屋店頭価格は12円~14円である。

▼輸出がほとんど増えなかったのは、①国内需給がタイトだった②為替が90円を超える円高だった③国内の価格水準が現在に比べてかなり良かった④フレート(海上運賃)が異常に高く、輸出経費が現在の倍くらいかかったーなどによる。仮に230ドルで成約しても、問屋手取りは国内より少し良いぐらいだった。このため、日本の古紙業者はまだ輸出に関心が薄かった。

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