▼フィルムなどがラミネートされた紙は古紙としては嫌われ、かっては産業廃棄物として焼却されていた。もっとも牛乳パックは内側にフィルムがラミネートされているものの、パルプ100%の紙が使用されていることから、生協やスーパーの店頭回収を中心に、日本では早くからリサイクルの対象になってきた。近年は集団回収や分別収集によっても回収され、回収の輪が拡がっている。
▼回収の輪が拡がったのは、国内の家庭紙メーカーが積極的に紙パックを利用したため。家庭紙メーカーの古紙使用量は年間約90万トン。紙パックの回収量(産業損紙も含む)は増えたといえ7万トン余だから、家庭紙が全量を使用しても1割にも達しない。家庭紙の主要原料はやはり産業古紙やオフィス古紙だが、必要な原料のひとつではある。
▼今回、驚いたのはこの紙パックにもアジア各国からの引き合いが増えていることだった。今年7月、国内の紙パックが値下がりし、需給が緩んでいるのを見越した買いなのかどうか。輸出価格は問屋手取りでキロ20円はあるというから国内より高い。ちなみに家庭から発生する紙パックを回収しているのは韓国と日本ぐらい。欧米ではほとんど廃棄されており、回収されているのは産業損紙のみ。
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