2006年10月23日 オピニオン » 710号

コラム「虎視」 710号

コラム「虎視」

▼今夏、紀州製紙が発表した紀州工場のバイオマスボイラーは09年2月に完成する。投資額は65億円で、発生蒸気量は毎時130トン。主燃料に木屑とプラスチックを使用し、補助燃料に石炭及び重油を使う。本紙の調査によると、石炭ボイラー(2基のみ)も含めて、01年以降に稼働ないしは09年までに稼働予定の製紙各社のボイラー数は33基にのぼることが判明した。今年は6基がすでに稼働、来年は5基、再来年は10基(2基が石炭ボイラー)。ピークは08年だ。

▼バイオマスボイラーの先鞭をつけたのは、東海パルプ島田工場(静岡)と、いわき大王製紙本社工場(福島)だった。いずれも発生蒸気量毎時60トンで、前者が木屑とPS、後者が木屑とRPFが主燃料。両社のバイオマス燃料の使用量はいずれも年間10万トン前後だった。02年~03年にかけてボイラー新設がなく小休止。04年から活発になり、王子製紙や日本製紙グループが相次いでボイラーの新設に乗り出した。

▼発生蒸気量(容量)の最大のものは王子製紙富岡工場に08年に完成する300トン。33基のボイラー容量を合計すると4,800トンにもなる。使用するバイオマス燃料は年間約420万トン。これだけの燃料が集まるのかどうか。

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