2018年から開始した中国のナショナルソードにより、鉄スクラップも輸入禁止となった。しかしその前から中国は世界一の鉄生産国になっており、発生する鉄スクラップ量も最多。鉄鉱石を輸入しているものの、鉄の原料不足は想定しておらず、躊躇なく鉄スクラップの輸入禁止に踏み切ったと言える。
▼しかし20年9月の習近平国家主席の発言により、事態は急転換した。「2060年に中国はカーボンニュートラルを実現する」。中国は世界最大のCO2排出国で、世界全体の排出量の28%を占める。また中国の粗鋼生産では、CO2排出量が多い高炉が9割を占めている。カーボンニュートラルを実現する上で電炉への転換は必須で、中国政府は21年から高品位の鉄スクラップの輸入を解禁。20年は2万トンだったが、21年には40万トンに増加した。
▼この中国の一連の動きにより、日本で一旦は消えた中国系スクラップ業者やディーラーが各地で急増しており、仕入れ争奪戦が行われている。また依然として不法ヤードも多く、山の奥地で24時間営業で買い取りを行っているところもあるという。このような動きを牽制する目的で、規制対象の屋外保管に関するヤード条例や、金属売買条例を定める自治体が増えている。
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