2007年1月22日 オピニオン » 722号

コラム「虎視」 722号

コラム「虎視」

▼昨年の地域別の古紙輸出量をみると、関東18万トン、近畿5万トン、中部と九州が4万トンづつという構成である。いずれも月間の輸出量だ。北海道・東北と中・四国は月にして6,000~7,000トンと、まだ低水準にとどまる。ちなみにここでの中部とは静岡、愛知、岐阜、三重の4県に新潟、長野、山梨の甲信越3県と富山、石川、福井の北陸3県を含む。

▼人口構成比でみると、近畿2,090万人に対し関東は4,149万人で、近畿は関東のちょうど半分。しかし、近畿の古紙輸出は関東の3分の1以下。古紙は人口に比例してほぼ発生するのに、近畿の古紙輸出が少ないのはなぜか。これは近畿の問屋が国内を優先して輸出を抑えているからでなく、需給ギャップが小さい、つまり回収が伸び悩んでいるためである。

▼日本の輸出動向は価格よりも需給ギャップに大きく左右される。近畿においてもしかり。仮に近畿の回収が活発で、需給ギャップが大きいければ輸出も増える。調べてみると01年から05年の過去5年で全国の輸出は2.53倍に達しており、関東2.66、中部2.65、九州2.79。3地区は平均値を上回っているのに近畿は1.9倍。近畿の輸出の伸びが低いのは、回収量が他地区より伸び悩んでいるのが原因だ。

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