▼昨秋来、輸出価格の急騰もあって国内建値との乖離が大きくなっている。これを埋めるために新聞は建値を2円アップしたが、輸出価格がさらに上昇を続けているので溝が埋まらない。雑誌に至っては九州の雑誌の建値が七円(問屋店頭)。輸出価格の問屋手取りが現在、15円台(主要港に近い古紙ヤード)。建値の2倍にもなってしまった。
▼鉄スクラップだとこれだけ乖離するとメーカーに原料が入らず、国内の電炉設備がストップするだろう。ところが古紙は製紙工場の抄紙機が止まらずに動いている。古紙の輸出も驚くほどに増えていない。ということは、メーカーが建値でなくプレミアム(割り増し)価格を出して購入しているからといえよう。
▼問屋側にも建値アップを歓迎しない雰囲気がある。いたずらに仕入れ競争を煽るからというのが最大の理由だ。価格の対応が遅い国内商売に比べて輸出は上がるか下がるか横ばいかが、はっきりしている。輸出指向を鮮明に打ち出す問屋がある一方で、きちんと価格で応えてくれる(プレミアムが出ている)国内メーカーには供給責任を果たすという問屋もあり、問屋の姿勢も千差万別。輸出が本格化して今年で6年目だが、初めて経験する乖離の大きさに両者が戸惑っている?
2024年09月30日
コラム「虎視」
福田三商はM&Aで大きくなった古紙問屋で、元々は福田紙原料と三商紙業(福田紙原料と鈴六商店の合弁)が合併して6[...]
2024年09月23日
コラム「虎視」
最近の若者の間で「オタク」は憧れの対象なのだという。『映画を早送りで観る人たち』(稲田豊史著)によると、彼らは[...]
2024年09月16日
コラム「虎視」
23年末の日本の新聞発行部数は2859万部となり、全盛期だった97年時の5376万部から47%減少した。世界的[...]
2024年09月09日
コラム「虎視」
脱炭素の対応は競争力には繋がるものの、投資に対する費用対効果がみえにくい。というより、成果を実感することが難し[...]