働き方改革によって古紙業界ではドライバー不足に陥る懸念があった。時間外労働の上限規制(年間960時間)が敷かれ、従来の人員では回収業務が回らなくなり、安定的な古紙回収のインフラが崩壊する恐れすらあったのだ。この危機を乗り越えるアプローチとしては2つある。人手不足を補う正攻法か、残業ルールの抜け道を探る奇策だ。
▼前者は年間休日を120日に設定し、有給や育児休暇の消化など徹底した福利厚生を図り、求人の目玉にするやり方だ。副業規定も設けるなど、柔軟な働き方も奨励する。一時的な人件費増となってしまうが、応募者の増加と離職率が下がるメリットは大きい。ある業者は「休日増は不可能と思っていたが、意外に現場は回っていくもの」と語る。
▼一方、後者はドライバーを個人事業主にして、回収業務を委託する形だ。一見、不安定な働き方にみえるが、ドライバーに車両を供与し、仕事を振り分ける。回収量に応じた口銭の中から燃料代などの経費を工面してもらい、残りがドライバーの報酬だ。この場合、残業規制に縛られず、手取り額が正社員より多くなるケースも多い。稼ぎたい、働きたいという意欲のある人には向いている。不平等感もなくなるため、全社的に拡げたいという経営者もいる。
2025年07月14日
コラム「虎視」
今号で紹介した熊谷紙業は、90年代から古紙パルプ生産を試行錯誤してきた。本紙268号(97年10月)を改めて読[...]
2025年07月07日
コラム「虎視」
段ボール古紙の調達価格が、段原紙の市況上昇のなか、据え置かれている。段原紙は2017年以降、5回目となる値上げ[...]
2025年06月30日
コラム「虎視」
2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
▼その時に家庭紙メ[...]
2025年06月23日
コラム「虎視」
韓国には業界紙というものが存在しないという。その理由は主に3つある。
▼①そもそも各業界[...]