▼古布は古紙や鉄屑と同様にリサイクルの歴史は古いが、回収率はいまだ2割程度にとどまり、大変に低い。これは繊維産業が古布を原料として使用できない(繊維to繊維にならない)ため、リサイクルシステムの構築が難しいことによる。
▼本紙の調査によると年間の排出量は100万トン。このうち75万トンが焼却され、回収量は25万トン。回収された25万トンの2割は再度焼却に回り、実際の使用量は20万トンにすぎない。このうち昨年の輸出は14万トン。年々輸出が増えており、国内使用はわずか6万トンに細っている。輸出先はマレーシア、韓国、香港、フィリッピンなど。中国はアパレル産業の保護の目的もあって中古衣料の輸入を禁じている。
▼つまり古布は古紙に比べると、回収量は100分の1で国内使用量にいたっては300分の1である。排出する家庭からみると、古紙と同様に身近な存在だが、回収量や使用量になると、雲泥の差が付いてしまう。鉄屑や古紙が輸出主導で価格が回復しているが、古布は取り残され、問屋の仕入れ価格もいまだ一桁台で低迷している。全国的な古布の相場表を掲載して欲しいという読者からの要望もいただくのだけど、多様な繊維製品が流通しているので古布の規格自体もあいまい。
2025年04月21日
コラム「虎視」
日本では商品や容器包装等で、リサイクルしやすい設計がこれまでにも行われてきた。その一例が、かつて家庭や企業に配[...]
2025年04月14日
コラム「虎視」
17年に発刊された「アマゾンが描く2022年の世界、田中道昭著」という本に出てくる近未来像がある。無人コンビニ[...]
2025年04月07日
コラム「虎視」
概ね売上10億円以上の古紙問屋を対象に業況調査アンケートを実施したが、回答率は3割強にとどまった。経営状況の公[...]
2025年03月31日
コラム「虎視」
2018年から開始した中国のナショナルソードにより、鉄スクラップも輸入禁止となった。しかしその前から中国は世界[...]