▼古布は古紙や鉄屑と同様にリサイクルの歴史は古いが、回収率はいまだ2割程度にとどまり、大変に低い。これは繊維産業が古布を原料として使用できない(繊維to繊維にならない)ため、リサイクルシステムの構築が難しいことによる。
▼本紙の調査によると年間の排出量は100万トン。このうち75万トンが焼却され、回収量は25万トン。回収された25万トンの2割は再度焼却に回り、実際の使用量は20万トンにすぎない。このうち昨年の輸出は14万トン。年々輸出が増えており、国内使用はわずか6万トンに細っている。輸出先はマレーシア、韓国、香港、フィリッピンなど。中国はアパレル産業の保護の目的もあって中古衣料の輸入を禁じている。
▼つまり古布は古紙に比べると、回収量は100分の1で国内使用量にいたっては300分の1である。排出する家庭からみると、古紙と同様に身近な存在だが、回収量や使用量になると、雲泥の差が付いてしまう。鉄屑や古紙が輸出主導で価格が回復しているが、古布は取り残され、問屋の仕入れ価格もいまだ一桁台で低迷している。全国的な古布の相場表を掲載して欲しいという読者からの要望もいただくのだけど、多様な繊維製品が流通しているので古布の規格自体もあいまい。
2025年07月14日
コラム「虎視」
今号で紹介した熊谷紙業は、90年代から古紙パルプ生産を試行錯誤してきた。本紙268号(97年10月)を改めて読[...]
2025年07月07日
コラム「虎視」
段ボール古紙の調達価格が、段原紙の市況上昇のなか、据え置かれている。段原紙は2017年以降、5回目となる値上げ[...]
2025年06月30日
コラム「虎視」
2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
▼その時に家庭紙メ[...]
2025年06月23日
コラム「虎視」
韓国には業界紙というものが存在しないという。その理由は主に3つある。
▼①そもそも各業界[...]