先週号でパック連の質問状の回答・意見を掲載した。パック連通信には、「大手容器メーカーが未晒原紙の紙パック(※未晒原紙=漂白していない茶色の原紙)の使用を拡大させようとしており、日本の紙パックリサイクルシステムが立ち行かなくなる恐れがある」と記しており、警鐘を鳴らす。
▼紙パックの未晒化は、リサイクル問題と絡んで大きな論争となっている。パック連が危機感を持つ最も重要事項は、「家庭紙向けに使えなくなること」である。21年度の紙パックの再利用用途はトイレットペーパーが66%、ティッシュが18%、板紙その他が16%。再利用の紙パックの実に84%が家庭紙向けに使用されており、パック連や関係者が危機感を募らせるのも頷ける。
▼ただし紙パックが白物の家庭紙向けに使えなくなることが、リサイクルシステムの崩壊に繋がるとは言えない。未晒の紙パックは、段原紙の中芯や裏ライナー、包装紙・雑袋向けの原料として使用出来る。また近年増加中の茶系家庭紙(キッチンペーパーや茶色TP)向けにも使える。用途拡大に加えて、これまでごみ化していたアルミ付き紙パックの回収が促進され、紙パック全体のリサイクル率は向上する見込みだ。家庭紙と板紙、容器メーカーや関連団体の思惑が交錯する。
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