
▼各国に年間1,600万トン以上の古紙を輸出している米国。このうち6割が中国向け。一方、400万トン足らずの古紙をアジアに輸出している日本。8割が中国向け。日本の4倍の輸出を行う米国が最大の供給国とすれば、ダントツの消費国は中国というのが世界の古紙貿易市場の構図。このため米国の売りと中国の買いの動向が価格を左右する。
▼今回、段ボールの輸出市況が米国西海岸で急落したのを受け、思惑が日本市場を駆けめぐっている。安いオッファはCIFトン180ドルを割り込んできているが、日本側はどこまで我慢できるか。日本の古紙問屋はヤード(回収基地)規模が狭い(平均500坪)のに対し、米国は4倍の同2,000坪。古紙を常時、大量にストックしているし輸出専業の問屋もいるのが米国。価格が急落すると狼狽売りが出て、下げを加速させる。
▼日本はヤード規模が狭いのでストックに限界があるし、ここ4、5年売り手市場が続いたのでストックが極めて少ない。米国ほど現物の狼狽売りはないが、心理的な影響を受けて売り急ぐと下げを加速させる。段ボールの急落にかかわらず雑誌はしっかりしているものの、独歩高だった新聞も曲がり角か。先行きオフイスパックなどもツレ安になってくるとみられている。
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