2008年10月6日 オピニオン » 806号

コラム「虎視」 806号

コラム「虎視」

▼別項のように今年の古紙回収量は1993年以来、15年ぶりにマイナス成長に転落するかもしれない。ただ昨年も後半に回収量が増え年間では前年より50万トン増だった。回収量が減っている要因を3つほど挙げたが、逆に増える要因にも目を向けてみたい。

▼まずひとつが国内外の古紙価格が高値で推移しており、集めたものは売れる状況が続いていることだ。このため、回収業に従事する民間業者が増えているし、問屋もこれまでに報道してきたように、回収の掘り起こしにいろんな工夫を重ねている。2つ目に問屋が新規に開設するヤードが今年、最多の04年に迫る勢いにあることだ。新ヤードの開設は競争を激化させるが回収増には寄与する。

▼3つ目に自治体の雑がみ回収や、機密文書を含めたオフィス古紙の民間回収が着実に増えていることだ。機密書類を扱うクローズ型の工場を併設した新ヤードが増えたことでも明らか。ところで00年から07年の8年間に年平均62万トンも回収が増えた。紙ごみの減量化に自治体や事業所が積極的に取り組んだ成果でもあろう。この流れがストップするとすれば古紙が集めても売れなくなった時だ。まだスムーズに流れているだけに今年の回収減を予想しにくいけれど。

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