▼10月の紙・板紙生産、なかでも紙の生産が前年同月比で91.7%という過去最悪の落ち込みとなった。紙の生産の伸びを牽引してきた塗工紙がなんと87.5%。紙の品種中、塗工紙が最大の落ち込みという、なんとも皮肉な生産速報だ。大手洋紙各社の既設マシンは一昨年まではほぼフル操業体制だった。昨年から塗工紙マシンが新たに3台稼働したところに、米国の金融危機に端を発した世界同時不況が押し寄せた。
▼塗工紙の主たる用途は雑誌の本文用紙やチラシ、カタログなど。塗工紙分野でも軽量化が進み、微塗工紙(塗布される塗料が少ない)が高い成長をみせていた。しかし、能力増投資が同分野に集中したことで、既設マシンのスクラップや輸出市場の開拓で乗り切ろうとしていたが、円高の進行で輸出採算までが大幅に悪化してきた。
▼紙・板紙の生産は過去18年間に318万トンしか増えていない。うち紙が276万トン。つまり年15万トンしか増えない紙生産だが、塗工紙の4社4台の能力増は130万トンにも達する。大手製紙の09年3月期の業績は、製品市況の値上がり、原燃料価格の下落などで4年ぶりにV字型回復も予想されたが、大幅な減産損で陰りがでてきた。
2025年03月10日
コラム「虎視」
愛媛県四国中央市で紙づくりが始まったのは江戸時代半ばの1750年頃と言われている。豊富な水と原料に恵まれたこと[...]
2025年03月03日
コラム「虎視」
丸住製紙が今年3月末で新聞用紙の生産を終了する。花形だった新聞用紙事業は今は昔である。新聞の普及に大きな役割を[...]
2025年02月24日
コラム「虎視」
トランプ大統領の顧問を務めるイーロン・マスクは、南アフリカからカナダを経由して米国に移り住んだ移民の一人である[...]
2025年02月24日
ちょっとブレイク
歴代最高のサッカー選手の一人と言われたマラドーナは、実はバロンドール(サッカーの世界最高選手賞)を一度も受賞し[...]