物流の2024年問題は、静脈分野でも深刻だ。ある排出業者は、廃棄物収集業は構造的に疲弊していくだろうとの懸念を漏らす。慢性的なドライバー不足に、残業時間の上限規制が合わさり、さらなる人員増に迫られる。だが、一般の運送業に比べて知名度や労働条件でも不利。労働力不足を補えないならば、収集インフラを維持できなくなる。構造的に事業縮小は避けられないというわけだ。
▼既にネット通販の爆発的需要で物流危機は起きていた。宅配便業者がどう乗り越えてきたのか振り返ると、まず12~13年に佐川やヤマトが運賃を値上げし、シェア至上主義と決別。最大の荷主であるアマゾンも16年に無料配送を中止した。以来、「届いて当たり前」だった消費者の意識も変わった。同時にEC企業にとって、配送料の増加が常に悩みの種になっている。
▼同じことが静脈分野にいえるのだろうか?寡占化が進んでおらず、収集費用の大胆なテコ入れは難しい。むしろオープンプラットフォーム化や自社物流化が加速する気配が漂う。前者は管理会社が台頭し、後者も家電リサイクルの分野などで拡がりつつある。DX活用も期待されるが、何より「捨てて当たり前」だった排出者が真剣にごみ抑制に取り組む転機にもなりうる。
2025年06月30日
コラム「虎視」
2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
▼その時に家庭紙メ[...]
2025年06月23日
コラム「虎視」
韓国には業界紙というものが存在しないという。その理由は主に3つある。
▼①そもそも各業界[...]
2025年06月16日
コラム「虎視」
日本には売上高1兆円超の上場企業が177社ある。その顔ぶれの変化は産業構造の移り変わりを映す。近年ではキーエン[...]
2025年06月09日
コラム「虎視」
各国の新聞用紙生産量は、ピーク比で米国は95%減、中国85%減、韓国77%減、日本は60%減。世界中どこを見渡[...]