
日本国内の古紙利用工場は中小を含めて約140カ所。そのうち家庭紙(ティッシュ・トイレット等)を生産するのは52ヵ所にのぼる。事業者の大半は中小企業だが、最古のメーカーは1877年創業のイトマン(四国中央市)で創業100年を超える長寿企業も少なくない。パルプ品を生産する大手が増設・増産しシェア拡大しているにも関わらず、中小の淘汰再編も一時期より落ち着いた。
▼背景の一つにコロナ禍とインバウンド需要が家庭紙市場に追い風になってきたことがある。人口減少期に入り本来は需要が先細る局面でありながら、断続的な特需に支えられてきた。加えて、物流費や人件費の上昇を背景に段階的な価格改定が浸透し、22年以降4回の値上げを成功。結果として、古紙原料のトイレット(12ロール)は史上初めて300円台に乗せている。
▼一方、古紙の確保が難しくなるなか、生き残り策としてパルプ配合の製品に舵を切ったり、加工部門に特化したりするメーカーも現れ始めた。ただし、家庭紙は小売を主戦場とする薄利多売事業であることに変わりはない。国内出荷も10月まででマイナス成長と、足元の需要には陰りも見える。過剰な投資判断は命取りになりかねず、冷静な需給見極めが一層求められている。
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