2009年4月13日 オピニオン » 832号

コラム「虎視」 832号

コラム「虎視」

▼新聞古紙が12円(問屋店頭)になったとはいえ、奈良市内では早朝だけど毎日のように流しのちり紙交換車が回って来る。業者がまだ離散していない証拠。プレミアムが付いて27、28円まで上昇していた新聞古紙がわずか半年で半値以下になった。現状価格が限界だろう。これ以上下がると民間業者が離散する?

▼ところで06年の古紙輸出389万トンをピークに、2年連続で古紙輸出が伸び悩んだ。輸出価格が高騰したのにかかわらず。昨10月以降、輸出価格が暴落し、その反動で11月の輸出量は大きく減少したものの、国内製紙の荷止めや数量カットによる在庫の急増を嫌った問屋の本格的な輸出が始まった。2月は過去最高の46万トンになり、3、4月も高水準の輸出が続いている。

▼日本の輸出は早晩、年間400万トンを超えるとみていたが、その要因は回収量の増大だった。しかし回収量は一昨年来、頭打ち。今春の輸出増の流れをみていると、回収減を上回る消費減によって需給ギャップが拡大したことが原因だ。400万トンの輸出が実施されるというのは、同量の需給ギャップがあるということ。紙・板紙の生産減による古紙の大幅な消費減がこれだけ劇的に訪れるとは誰も予想できなかったのでないか。

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