古紙の回収量と消費量の差を需給ギャップと呼ぶが、世界を見渡して需給ギャップがほとんどない国はあるのだろうか。素朴な疑問を感じたので調べてみた。
▼RISI調査の統計(19年)によると、需給ギャップが少なくて回収と消費がバランスし、尚且つ輸出入量が少ない国は、欧州ではフィンランド、アジアではイラン、南米ではアルゼンチン・ブラジル・チリが該当した。但しどの国も古紙回収率が高いとは言えない。フィンランド=57%、アルゼンチン=55%、ブラジル=49%、チリ=46%、イラン=34%。世界平均が59%なので、いずれの国も平均以下である。フィンランド・ブラジル・チリは木材パルプの生産量が多く、ブラジルは世界2位、フィンランドが6位、チリは10位。パルプ原料が豊富であるが故に、古紙に依存しない状況ということも言える。ちなみに日本は9位である。
▼70年以降で、日本の需給ギャップが最も少なく、且つ輸出入量も少なかったのは81~82年。この2年間は全てがバランスしていた。81年は回収が804万トン、消費が795万トン、輸入8万トン、輸出8万トン。82年は回収が836万トン、消費が834万トン、輸入が9万トン、輸出が3万トン。しかし古紙回収率は47~48%台で低調だった。
2025年06月30日
コラム「虎視」
2015年に日本マテリオと共催して、古紙ジャーナル韓国ツアーを開催した。
▼その時に家庭紙メ[...]
2025年06月23日
コラム「虎視」
韓国には業界紙というものが存在しないという。その理由は主に3つある。
▼①そもそも各業界[...]
2025年06月16日
コラム「虎視」
日本には売上高1兆円超の上場企業が177社ある。その顔ぶれの変化は産業構造の移り変わりを映す。近年ではキーエン[...]
2025年06月09日
コラム「虎視」
各国の新聞用紙生産量は、ピーク比で米国は95%減、中国85%減、韓国77%減、日本は60%減。世界中どこを見渡[...]